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T細胞と軟骨細胞による軟骨破壊

変形性関節症(OA)は古くは非炎症性疾患に分類され、過荷重や関節のアライメント不正などの物理的な要因により関節軟骨が磨耗して発症するとされてきました。

しかし病理組織学的にOA患者の関節包を観察すると、炎症性細胞の浸潤像が認められ、関節液中にも関節リウマチ(RA)ほどではないものの白血球が検出されます。

近年、OAにおける炎症反応の関与が注目されてきており、OAにおける免疫応答の存在を示唆する研究成果も数多く得られています。

今回のコラムでは、OAと免疫反応を証左するこれまでの知見と、OA患者由来関節軟骨細胞と自己末梢血T細胞の相互作用、さらにこの細胞応答に及ぼすヒアルロン酸の影響について述べます。

1.OAの病態における免疫反応の関与

血清中には軟骨の主要な成分であるU型コラーゲンに対する自己抗体はもとより、OA患者の約10%にosteopontin cartilage inter−mediate layer protein (CILP)、およびYKL−3926に対する自己抗体の存在が確認されてい ます。

また約50%のOA患者の軟骨組織中には抗U型コラーゲン抗体の沈着が認められます。

このような軟骨基質に対する抗体の存在はOAの病態に一部自己免疫反応が関与している可能性を示唆しています。

OA患者の関節包、滑膜組織や関節液にはリンパ球の浸潤が認められ滑膜組織内での炎症性サイトカイン産生の亢進が認められます。

また、OA患者由来T細胞がcartilage link proteinやaggrecan G1 domainに対して免疫反応すること、OA患者の関節液中にはMIP−1Β、RANTESなどのケモーンが存在し、これらケモカインが軟骨細胞からのMMP産生を誘導することなどはOAの病態に炎症反応が関与していることを示唆する知見です。

2.OAでの軟骨細胞の免疫応答

関節軟骨を構成する唯一の細胞成分である軟骨細胞は、一旦成長してしまえば、増殖もせず、軟骨基質を代謝している細胞ですが、OAではその様相を一変させて活性化し、種々のMMPなどのプロテアーゼ、ケモカイン、prostaglandin、NOなどの炎症メディエーターを産生します。

一方、細胞表面分子の発現しても、CD44などの表面分子の発現パターンが変化するのに加え、HLA-DP、DQ、DR、CD80、CD86のような分子を新たに発現するようになります。

そして、OA患者由来関節軟骨細胞との共培養でT細胞は活性化して3H−thymidine取り込みが増加し、この反応は抗HLA−I、HLA-U、CD4、CD8抗体で抑制されました。つまり、OA軟骨細胞はOAにおける免疫応答の一部を担っていることが示唆されました。

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管理人からのコメント

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